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全身型重症筋無力症患者へのソリリス®投与における質問集(FAQ)
ソリリス®投与に関するよくある質問をまとめました

疾 患

重症筋無力症(MG)はどのような疾患ですか?
【重症筋無力症(MG)とは】

MGは神経筋接合部のシナプス後膜上にあるいくつかの標的抗原に対する自己抗体の作用により、神経筋接合部の刺激伝達が障害されて生じる自己免疫疾患です1)

【疫学】

日本では、2018年に実施された「神経免疫疾患のエビデンスによる診断基準・重症度分類・ガイドラインの妥当性と患者QOLの検証」班と「難治性疾患の継続的な疫学データの収集・解析に関する研究」班との合同で行われた調査により、2017年に受診したMG患者数は29,210人で、有病率は人口10万人あたり23.1人と推定されました1)。 なお、令和3年度末現在、特定医療費(指定難病)受給者証所持者数は25,568件と発表されています2)。 また、1990~2014年の疫学研究に関する文献レビューでは、全世界におけるMGの有病率は人口10万人あたり中央値で10人(範囲5.35~35人)と推定されました3)

【症状】

最も特徴的な症状は骨格筋の易疲労性を伴う筋力低下です。運動を繰り返し、筋収縮を続けることにより筋力は低下し、休息によって回復します1,4)。最も頻度の高い症状は眼症状であり、日本では初発症状として71.9%に眼瞼下垂、47.3%に複視がみられると報告されています5)。また、14.9%の患者では、初発時に、球筋(口や喉の筋肉)の筋力低下がみられ、結果、嚥下障害、構音障害、咀嚼障害などを生じます5)。この他、初発障害としてみられるものに、頸部筋、呼吸筋、四肢遠位筋の筋力低下があります6,7)

<MG症状が現れる部位と主な症状>6,7)

引用 1) 日本神経学会 監, 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン作成委員会 編. 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022, 南江堂, 2022. 2) 難病情報センターホームページ https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/2023/02/koufu20222.pdf(2023年7月アクセス) 3) Deenen JCW, et al. J Neuromuscul Dis. 2015; 2(1): 73-85. 4)Conti-Fine BM, et al. J Clin Invest. 2006 ;116(11): 2843-54. 5)Murai H, et al. J Neurol Sci. 2011; 305(1-2): 97-102. 6)Meriggioli MN, et al. Lancet Neurol. 2009; 8(5): 475-90. 7)Li Y, et al. Cleve Clin J Med. 2013; 80(11): 711-21.

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抗AChR抗体陽性MGにはどのような特徴がありますか?

MG全体の約80~85%が抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性と報告されています1,2)。 したがって、抗AChR抗体陽性MGでは、MG患者でみられる一般的な症状を呈すると考えられます。 ただ、原因となる自己抗体の種類により筋力低下の分布が異なることがわかってきており、抗AChR抗体陽性MG患者では抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性MG患者に比べ、頭頸部や上肢の筋力低下がみられやすい傾向があるようです3,4)

<主な自己抗体のサブタイプ別にみたMG患者の筋力低下の分布>3,4)

引用 1)本村政勝.臨床神経学. 2011; 51: 872-76. 2)辻省次総編集. 免疫性神経疾患 病態と治療のすべて, 中山書店, p96, 359. 3)Gilhus NE, et al. Lancet Neurol. 2015; 14(10): 1023-36. 4)Hujibers MG, et al. J Intern Med. 2014; 275(1): 12-26. 5)日本神経学会 監, 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン作成委員会 編. 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022, 南江堂, 2022.

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小児のMGにはどのような特徴がありますか?

小児のMGは、一般的に18歳以下発症のMGとされています1)。 小児のMGは幼児期に発症のピークがあり、MGの全国疫学調査では、5歳未満の発症が1987年でMG全体の10.1%、2006年で7.0%を占めました2)。 臨床型は眼筋型(20%)、潜在性全身型(50%)、全身型(30%)に分類されます。潜在性全身型とは、臨床的には眼筋症状のみですが、四肢筋の誘発筋電図で減衰現象を呈するものです1)。 また、小児のMGは抗体陰性(seronegative)例が多く、抗AChR抗体陽性例も成人に比べて低値であることが報告されています。2006年の全国臨床疫学調査では、抗AChR抗体陽性率は5歳未満発症例で50.3%、5歳以上10歳未満発症例で48.1%でした2)

引用 1)日本神経学会 監, 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン作成委員会 編. 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022, 南江堂, 2022. 2)Murai H, et al. J Neurol Sci. 2011; 305: 97-102.

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抗AChR抗体陽性MGの神経伝達障害の機序に、補体はどのように関わっていますか?

抗AChR抗体陽性MGでは、以下の3つのメカニズムにより、神経伝達障害が起こっていると考えられています。 ・AChとAChRとの結合阻害1,2) ・AChR崩壊促進2) ・補体介在性運動終板の破壊2,3,4) この中で、補体が関与する機序が「補体介在性運動終板の破壊」です。 「補体介在性運動終板の破壊」は、自己抗体がAChRに結合し、さらに補体C1複合体が自己抗体のFc領域に結合することで、古典経路が活性化されます。その後、補体C3やC5などの多段階のプロセスを経て、シナプス後膜上に補体タンパクC5b~C9で構成される膜侵襲複合体(MAC)が形成されます。MACにより神経筋接合部における運動終板が破壊されることでAChRが減少し、神経伝達障害が引き起こされます5,6)

<補体介在性運動終板の破壊>

引用 1)Howard JF Jr, et al. Muscle Nerve. 2013; 48(1): 76-84. 2)Conti-Fine BM, et al. J Clin Invest. 2006; 116(11): 2843-54. 3)Kusner LL, et al. Ann N Y Acad Sci. 2012; 1274: 127-32. 4)Meriggioli MN, et al. Lancet Neurol. 2009; 8(5): 475-90. 5)Rother RP, et al. Nat Biotechnol. 2007; 25(11): 1256-64. [利益相反:本論文の著者にはAlexion Pharmaceuticals, Inc.の社員が含まれる] 6)Walport MJ, et al. N Engl J Med. 2001; 344(14): 1058-66.

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抗AChR抗体陽性MG以外のMGにも補体の関与はありますか?

重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022では、抗AChR抗体のほか、抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体もMGの病原性自己抗体とされています1)。わが国では、MG全体の約80~85%が抗AChR抗体陽性で、約5%が抗MuSK抗体陽性と推定されています1)。抗AChR抗体陽性以外のMGで、補体の関与が明らかになっているものはありませんが、抗MuSK抗体は主にIgG4であり、補体と十分に結合しないため、抗MuSK抗体陽性MGでは病態機序に補体の関与は少ないことが推察されています2)。病態機序として、MuSK抗体IgG4がagrin/LRP4/MuSKのシグナルを障害することによってAChRの凝集が抑制されるためと推測されています1)。 なお、抗LDL受容体関連蛋白質4(LRP4)抗体が第3の病原性自己抗体の候補とされ、検討されてきましたが、疾患特異性が低いことなどにより、同ガイドラインでは「現時点で病原性自己抗体とは断定できない」と判断されました1)

引用 1)日本神経学会 監, 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン作成委員会 編. 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022, 南江堂, 2022. 2)Conti-Fine BM, et al. J Clin Invest. 2006; 116(11): 2843-54.

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MGの重症度やQOLの評価にはどのような基準がありますか?

MG症状の重症度クラス分類には、2000年にMGFA(MG Foundation of America)により提唱されたMGFA分類が、MG重症度の定量的な評価基準には、1999年に発表されたMG-ADLスケール、2000年に発表されたQMG(Quantitative MG)スコア、2008年に発表されたMG compositeスケールがあります1)。 また重症度に加え、MGに特異的なQOLスケールであるMG-QOL15が2008年に発表されており、2010年にはその日本語版(MG-QOL15-J)が発表され、信頼性及び妥当性が検証されました1)。さらに2016年には、日米英共同でMG-QOL15の改訂版であるMG-QOL15rが発表され、日本語にも翻訳されています1)。 ●MGFA分類2): 現在までの最重症時の状態で、最も軽症なClass I から最重症のClass Vに分類する分類法です。このため、治療の評価には用いるべきではない点に注意を要します。また、MGFA分類は、指定難病の臨床調査個人票の重症度分類に関する事項に使用されています3)。 ●MG-ADLスケール4): 患者の自己申告をもとに記載します。他の評価基準とくらべ、比較的簡単に用いることができます。患者の自己申告であることから、QOL評価との相関が高いことが報告されています。 ●QMG(Quantitative MG)2): 定量的な重症度評価の一つです。20分程度時間を要します。易疲労筋の検出感度は高いとされています。 ●MG compositeスケール5): MG-ADLスケールやQMGの長所と短所を踏まえて考案されたスケールです。 ●MG-QOL156): MG治療の効果判定においてQOLの評価も重要であることから作成された、MG特異的QOLスケールです。 ●MG-QOL15-J7): MG-QOL15の日本語版です。日本では言語や生活習慣が欧米と大きく異なるため、MG-QOL15の日本語版が作成されました。 ●MG-QOL15r8): MG-QOL15の質問項目や評価尺度を改訂したスケールで、日本語のほか、11ヵ国以上の言語に翻訳されています。 ●MG-QOL15r-J: MG-QOL15rの日本語版です。

引用 1)日本神経学会 監, 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン作成委員会 編. 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022, 南江堂, 2022. 2)Jaretzki A 3rd, et al. Neurology. 2000; 55(1): 16-23. 3)難病情報センターホームページ http://www.nanbyou.or.jp/entry/272(2023年7月アクセス) 4)Wolfe GI, et al. Neurology. 1999; 52(7): 1487-9. 5)Burns TM, et al. Neurology. 2010; 74(18): 1434-40. [利益相反:本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.より謝礼を受領している者などが含まれる] 6)Burns TM, et al. Muscle Nerve. 2008; 38(2): 957-63. [利益相反:本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.より研究助成金を受領している者などが含まれる] 7)Masuda M. et al. Muscle Nerve. 2012; 46(2): 166-73. 8)Burns TM, et al. Muscle Nerve. 2016; 54(6): 1015-22. [利益相反:本論文の著者にAlexion Pharmaceuticals, Inc.より研究助成金を受領している者などが含まれる]

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MGにはどのような治療がありますか?

MGの治療法には、抗コリンエステラーゼ薬、胸腺摘除、経口ステロイド、ステロイドパルス療法、経口ステロイド薬以外の免疫抑制剤(カルシニューリン阻害薬など)、免疫グロブリン静注療法(IVIg)、血液浄化療法、分子標的治療薬(ソリリス®、ユルトミリス®など)などがあります1)。 なお、小児においては、IVIg及び血液浄化療法にMGの適応はありませんが、成人MGに準じて個々に判断して行われています。 注)本邦では一部のステロイド、免疫抑制剤及び免疫グロブリン製剤にはMGの適応はありません。 また、小児においては、経口ステロイド薬以外の免疫抑制剤、免疫グロブリン製剤、一部の分子標的薬にはMGの適応はありません。

引用 1)日本神経学会 監, 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン作成委員会 編. 重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022, 南江堂, 2022.

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